今週から夏休み

DVDで『ポンパドゥール夫人――ルイ15世を支配した女』(監督ロバン・ダヴィ)というのを見た。
これは映画なのか、むしろやたら長いから(2枚組みで計194分)テレビ放映されたドラマか何かなのかもしれない。
あまり期待していなかったのだが、これがなんと面白かったのだ。
ついつい耽ってしまって(本なら読み耽るというところだが、映画だと何というのだろう。見耽る?)、この長いのを、お昼ご飯の休憩を挟んで、一気に見てしまった。
なぜか3回ほど変にドラマチックな「ジャジャーン」という感じの効果音楽が入るところがあって(たとえば第1部の終わりなど)、そこの音楽だけ浮いているが、ほかはクラヴサンなどの当時の音楽が鳴り響き、ストーリーにもだれるところがなく、18世紀のヴェルサイユ宮殿の世界に浸らせてもらった。
ヒロインのエレーヌ・ド・フジュロルがきれいでかわいくて魅力的。
どの程度史実に忠実なのかは不勉強な人間で知らないが、啓蒙主義が台頭していたアンシャン・レジーム時代の王宮の物語ということで、いろいろと考えさせられながら見入っていた。

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注文していた本が届く。
薬師院仁志社会主義の誤解を解く』(光文社新書
白戸圭一『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書
島田裕巳『教養としての世界宗教事件史』(河出ブックス)
この3冊は、ちょっといろいろと勉強しようと思って入門書的に買った。
薬師院氏の本は以前『日本とフランス 二つの民主主義』を読んで面白かったので、2冊目。
ほかもぱらぱらとめくってみたが、どれも面白そうだ。
ほかに小説が4冊。
1冊は単なる趣味というか、この人の小説を1冊も読んだことがなかったので、
丸谷才一『笹まくら』(新潮文庫
そのほか、ちょっと新感覚派というのでもないのだけれど、昭和モダニズムについて調べているので、その関係で、
川端康成『水晶幻想 禽獣』(講談社文芸文庫
横光利一『上海』(岩波文庫
横光利一『機械・春は馬車に乗って』(新潮文庫
どれもぱらっと書き出しを読んでみたのだが、この頃の小説の書き出しというのは、どれも自由というか、非常にノンシャランにすらっと書き出しているようでいて、言葉のリズムとか語の選択、イメージの浮かばせ方でふいっと世界をつくってしまう、その感覚がうまいと思う。
とくに川端は、ことばは易しいのに、選び方は見事というか、巧みなポエジーがある。
そのまま引き込まれてすいすい読んでしまいそうになる。

どれから読もうかな。