ALSの疑い?日記(2)

2012年4月初め、僕はT大学付属のO病院で、S医師の診察を受けることになった。
初診で予約なしの飛び込みだから、どの先生になるかはほとんど偶然に決まったものだろう。
それが吉だったのかそうでなかったのかは、今もまだ僕にはよくわからない。
しかし、S先生はとても親切で、親身になってよくしてくれる。
診察時間も、毎回かなりの人数が待っているにも関わらず、ゆっくりと時間をとってみてくれる。そのぶん自分もまた前の患者さんたちのあいだ長く待たされるわけだが。

さて、S先生は僕の右手を見て、すぐに筋萎縮の症状を認めた。
それは、まあ目で見て明らかなのだから、当然ではある。
いろいろと器具を使ったりして、たとえば脚気の検査の時に膝のあるポイントをたたいて反射的に足が跳ね上がるようなそういう検査とか、ほかにごく細いファイバーみたいな毛先のようなものでかすかに指先を触って感触があるかどうか確かめるとか(指先の感覚には問題はなかった)、上半身を脱いで背中から全体の筋萎縮の状態を見るとか、そういったことをいろいろやった。
(手や腕だけでなく、右側は肩からして全体的に筋肉が痩せていた。それから1年半ぐらい経つ今の状態に話をちょっと先取りすると、現在、右肩はかなり痩せ細ってしまっていて、肉というより皮の下から骨が突き出しているような状態である)

その後、血液検査とMRI、そして針筋電図検査をやった。レントゲンもやったかもしれない。よく覚えていない。
針筋電図検査は痛かった。あれは何なのだろう。その後、セカンドオピニオンのために行った別の病院でも同じことをやらされたが、あれはずいぶんと痛いものだ。それをとりあえず異状のある右手だけでなく、四肢全部でやる。
その結果、右腕だけでなく、左腕や脚にもやはり若干の所見があるとのことだった。
詳しい数値のようなものは、今外国暮らしなので、手元にはない。あっても載せてもしょうがないが。
MRIは、脊髄を調べるためのものだったようだが、脊髄にはまったく異状がないとのこと。
ふつう、筋萎縮の症状は、まず脊髄に損傷があるとか、何か詰まっているみたいなそういうことが多いらしい。
いずれにせよ、筋肉をコントロールする神経がうまく働かず、伝達されていないということであることは違いないらしいのだが、僕の場合、脊髄はきれいなのだった。
MRIは、その後、造影剤を入れたり、別の病院でも撮ったりしたので、計3度受けた。

S先生が初めに疑ったのは、なんというのだったか、今はもう手元に資料がないのでわからないが(こうやって忘れてしまうので、この記録を残しておこうと思っておとといから書き始めたわけだが)、ええっと、何か遺伝子のアンドロゲンの異常によるもので、ああそうだ、球脊髄性なんとかというのだった。
これはあとでちゃんと調べて書き直そう。