獣の奏者

昨日、上橋菜穂子獣の奏者 Ⅰ 闘蛇編』読了。
学校帰りの電車の中でほとんど読み終え、家で残りの数ページを終えた。
帰りにそのまま駅前で第2巻を買ってきたので、引き続き読んでいる。
面白い。とくに1巻から2巻に移るところで一番面白くなっているのは、わざとだろうか。とにかく先が読みたくて仕方がなかった。
うちには子どもがいるし、NHKのアニメでもやっていたから、その存在は前から知っていたし、評判が高いことも知っていて、いつか読んでやろうと思っていたのだが、最近、あんまり余計なことを考えなくてただ面白く読める小説が読みたい!という気持ちがむくむくと湧いてきて、『武士道シックスティーン』からの流れで買ってしまった。(いや特に内容的なつながりはないが)

考えてみると、そういう小説を最後に読んだのは、半年前の『チャイルド44』まで遡る。その前となると、またさらに半年ぐらい遡らないといけないんじゃないか。
と考えて思い出したが、ちょうど一年前くらいの今頃は司馬遼太郎の『胡蝶の夢』全4巻をずうっと読んでいたのだった。これも面白かった。
しかし司馬遼太郎という人はまったくすごい人だな。
こういうものを、たとえば僕が書こうと思ったら、これ一作だけでほとんど一生に一度の大仕事だと思うのに(そしてもちろん一生に一度だって本当は書けないのだが)、司馬遼太郎は、これ以外にもっと重要でもっとすごい作品を(たとえば『竜馬』とか『菜の花』とか『坂の上』とかなんとかとかかんとかとか)わんさか残しているんだからなあ。ただ量だけ考えても、いつどうやって書いたんだ、という気がしてしまう。化け物としか思えん。

話を戻すと、上橋菜穂子さんは、文章がいい。別に名文というのではないけれど、子どもも読めるファンタジー小説が、こういう端正できちんとした文章で書かれているということはうれしい。
ミステリなども昔はたくさん読んだが、年をとるにつれて、自分が求める文章のハードルが上がってきたので、たいていの普通の(?)ミステリや娯楽小説はなかなか読む気にならない。一、二ページ読んだところで、バカらしくなって投げ出してしまう。
最近(といっても上に書いたような状況だから、ここ4、5年くらいのスパンだが)読んだ中で文章がいいと思ったのは、奥田英朗(まあ直木賞作家だからね)。
誉田哲也も、『武士道・・・』は面白かったが、文章には感心したわけじゃない。ただあれは女子高生の語りという設定だから、それで通用している面がある。

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午前中、翻訳に集中、p.110まで終了。これでやっと半分を越えた感じ。
午後、女子フィギュアのフリーを見る。キムヨナはとてつもないな。別次元。あれでは文句も出ない。
その後、明日に備えて、もう一本の修論を読む。これにも半日かかってしまった。
修論を読みつつ考えたこともあったが、明日余裕があれば書こう。

夜はAがワイン会で留守なので、僕が夕食を作る。メカジキを照り焼き風に味付けして焼く。大根と大根の葉と油揚げの味噌汁、その他。