久しぶりの出勤

久しぶりに大学に出勤。15日以来だから、どうだろう、約3週間ぶりということか。
3週間の春休み、ありがたかった。翻訳も一冊仕上がったし、授業の準備も(補習用の練習問題をちょっと作っただけだが)少しできた。
前にいた学校では、春はここまできっちり休めず、なんだかんだ呼び出されていたから、今回は助かった。
もちろん学校の事務仕事もいくつかこなしたけれど、今はメールでたいていの用は済んでしまう。
久しぶりに行ってみると、山のように通知や連絡の類が研究室に届いていた。といってもほとんどは不要な、もしくは見なくてもよい(大学新聞とか、なんちゃら学報とか)、ものなので、本当に必要なものはごくわずか。それを選りわけて、必要なものには返事、あとは授業用のコピーの作成など、ささっと仕事。

帰り、飯田橋の欧明社に寄って帰る。明日の講読のテキスト候補にと考えている一編が、コピーしづらい(というか学生にとって読みづらい)版しかないので、手軽な版を求めて。ちゃんとフォリオ版があった。

さあ、今夜はこれから明日の授業の準備。

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ずっと前から寝る前の本としてちびちび読んできた『女優 岡田茉莉子』があと数ページで終わる。
この本の文章は、不思議な魅力がある。というか、この著者が、というべきかもしれないが。
ずいぶん長い本だから、初めのうちは「清潔感があって好感がもてる」といった印象だった文章が、だんだんと「この人はやっぱり相当変わったというか、場合によっては困ったというか、かなり浮世離れした超然とした人なんではないか」という印象に変わってくるのだが、それでも、この女優を嫌いにはなれない。
もちろんあの名作『秋津温泉』の女優なのだから、ということもあるが、それと同時に、基本的にすごく善意の人なんではないか、という印象は変わらないからだ。
個人的には、吉田喜重監督との出会いから結婚までの辺りが一番面白かった。
全編を通して、岡田茉莉子が、この夫を希代の天才と信じ、その才能に心酔しきっているところが、すごい。
(そして確かにその通りなのだが)
吉田を理解する岡田茉莉子の知性と感性も大したものだけれど、この本を読むと何よりも吉田喜重のすごさを改めて感じる。最近のものや(『嵐が丘』以降)第1作の『ろくでなし』などは見ていないのだが、猛烈に見てみたくなった。そのうち借りてこよう。