AXIA〜かなしいことり〜

一昨日から斉藤由貴の「AXIA〜かなしいことり〜」の歌詞が頭をめぐっている。
四方田犬彦の『先生とわたし』を読んで、80年代後半の自分の大学時代を思い出したせいにちがいない。
あの頃、この歌を聴いて胸を締め付けられる思いをしていたものだ。(今考えると気色悪いが)
それでふと思い立ってyoutubeで聴いてみた。
http://www.youtube.com/watch?v=pGidX19pCZU
歌詞の半分ほどは覚えていたが、忘れていた部分もあって、うおーっとうなってしまう。
何という奇跡のような歌詞。似たような経験をしたことのある人にとって、これはほとんど悪魔の仕業としか思えない。
息の根を止められてしまった。

******************

今日はちょっと古い本だが、研究上の参考に、水島裕雅『詩のこだま―フランス象徴詩と日本の詩人たち』(1988、木魂社)という論文集から、4、5本ほどの論文を読んでみた。ボードレールとその上田敏訳や、マラルメとその堀口大學訳などの訳詩分析をおこなった比較文学の論文である。
著者は、現在は広島大学名誉教授らしいが、この本の時点ではまだ助教授とある。地味ではあるが、きっちりとしたよい仕事である(という言い方をぼくのようなチンケな語学教師がするのはえらそうだが)。経歴を見ると東大の比較出身であった。
こういう知られていない(? 失礼!おれが知らないだけか)地方の学者にもそれなりの仕事があることを知ると、なんだか頭が下がるような思いになる。
その後、自分の研究ノート作り。
この夏の仕事の中心は、モダニズム詩人の翻訳行為についてである。