ここ数日の記録

久しぶりなので、ここ数日のことを記録しておこう。
26日は夕方、石神井書林に行って、店主の内堀さんに北園克衛についてのお話を伺ってきた。内堀さんは『ボン書店の幻』や『石神井書林日録』の著者であり、モダニズム詩の研究者であると同時にたいへん魅力的な文章を書かれる方である。
モダニズムの詩人たちは、多くのリトル・マガジンを刊行し、それらを拠点に活発な運動を展開したが、こうした小雑誌類は、今では入手が難しい。国会図書館にもない。それで内堀さんにお知恵を借りたいと思ったのだが、いろいろと参考になる話を聞かせていただくことができた。
ちなみに、モダニズムと小雑誌の関係は日本だけのことではないらしく、最近スコールズによるこういう本も出ている。
Modernism in the Magazines: An Introduction
Robert Scholes, Clifford Wulfman
Yale University Press (2010/6/29)
とりあえず買っとこうと思っているが、まだ注文していない。

27日(金)、フランス在住の妻のいとこが来たので、子供たちと一緒に府中市郷土の森へ。ここは2度ほど行ったことがあるが、水遊びもできて、博物館もあって、非常によいところ。

28日(土)、比較文学会の月例会で柳父章氏の講演を聞く。この人はもうずいぶんお年を召されて、耳が遠くなっているようだったが、独自の道を切り開いてこられた、まさに学者というべき人である。ぼくのようないいかげんな研究者崩れの語学教師とはまったく違う。柳父翻訳学とでもいうべきものを確立してこられたその道程に、あらためて敬意を覚える。
しかし、質問者のレベルはまちまちで、鋭い人やものの分かった人もいる反面、ただ自分の言いたいことだけを延々述べるだけの人もいて、そこはまあ「学会」というものだなあ。

29日(日)、さすがに疲れて休息日。
といきたいところだが、金曜日に編集のSさんからこの秋に出さねばならない翻訳のゲラをどーんと渡されたので、その校正とあとがき執筆のプレッシャーに押しつぶされて悶々としている。

で、今日は30日(月)。
子供たちはようやく今日から新学期。
ぼくは朝から論文書き(というかどうもあんまり「論じる」感じにならなくて、ただの先行研究整理っぽいのがわれながらいやになる。研究発表用のノート作成程度の内容)と翻訳ゲラのチェックを、片方に飽きるとまた片方に、と交互にやり続けて、途中昼飯を食ったり、風呂掃除をしたりしながら、現在にいたる。
今日はもう5時なので、このブログを書いたら店じまいかな。