政界進出も狙う?

今朝、ネットブラウザを立ち上げたら、yahooのトップページの写真が、フランスの自宅に帰るストロスカーンだった。
多分世間では、「婦女暴行容疑で逮捕された前IMF専務理事」として知られているだろう。
結局、被害者とされる女性の証言に不審な点が多いとして、公訴棄却となった。
ニューヨークの検察当局のやり方が拙速だったのか潔いのかよくわからんが、まあ一種の「冤罪」事件ということになったわけだ。
ところで、それで記事のリンクをいくつかクリックしていくと、産経新聞の記事でこんなのが見つかった。
「「ウソをついた」検察、訴追取り下げを申請 IMF前専務理事性的暴行事件」(産経新聞 8月23日(火)9時9分配信)という見出しで、最後の段落、

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 同紙によれば、ストロスカーン被告の母国フランスでは、今回の検察側の判断をたたえる声が多いというが、女性有権者の間では、政界進出も狙うとされる同被告への信頼感が著しく低下しているという。
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驚いたのは最後の一節で、「政界進出も狙うとされる同被告」というのだが、ストロスカーンは今でこそ(というか逮捕される前まで)IMF専務理事だったが、そもそも政治家である。
社会党から出馬する大統領候補の最有力候補だったことは、すでにこの事件の報道の最初のときから周知のことだったと思うのだが、この産経の記者はそんなことも知らなかったのだろうか。(【ニューヨーク=黒沢潤】と署名がある)
(ここはまあ、あえて書くとしたら「政界復帰」だろうなあ。まあそれでも90年代の終わりにフランスにいた僕にとっては、ストロスカーンは昔も今もずうっと政治家というイメージなんであって、「復帰」すらちょっと不思議な感じがするが)

8月30日に配信された「多くの不満残したIMF前トップ事件」という見出しの記事も、【国際情勢分析】というよくわからん但し書き(コラム?)がついていて、中身は読んでみるとなんと英紙フィナンシャル・タイムズと米紙ウォールストリート・ジャーナル、さらにニューヨーク・タイムズの見方を紹介(抜き書き)するだけのものだった。こんなの、学生のレポートでも怒られるよ。
というか(仮にも)全国紙にこんな記事が載ってることが理解できない。
こういうものでお茶を濁さなければならないとは、産経って、本当にまともな記者が少ないんだろうなあ。

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朝からこりこり文章書いたので、ちょっと休憩。
(といってまた文章書いてるが)
Pleiade版って、本当に研究者限定みたいな編集方針になってない?まあそもそも一般読者こんなの買わんだろうけど、僕みたいな初級者は必要な詩がどこにあるか探すのも難しいよ。