ここ数日のまとめ、「罪の天使たち」その他

忙しくて日記がすっかり滞ってしまった。
もともと仕事や生活の時間を削ってまで日記は書かない、という方針にしていたので(仕事や生活の記録として日記があるのであって、仕事や家事・育児をほっぽって日記を書くのは本末転倒という趣旨、それじゃなんかボルヘス後藤明生の短編みたいだ)、忙しいと日記を書かないのは当たり前なのだが、さすがに「記録」としての意味もなくなるので、ここらですこしrecapしておく。

えー、1日(月)、日中は家で翻訳。
夜、渋谷のユーロスペースブレッソンの『罪の天使たち』を見る。レイトショーで遅かった。ああいう時間にああいうところに行くのも変な体験だ。ユーロスペースってすごいところにあるんだもんなあ、今。
映画は面白かった。ブレッソンを特に好きで見ているわけではないが、見た中では一番面白かったかも。

2日(火)、妻がニトリに連れて行けというので、車でニトリ。長女の部屋を作って寝室から「追い出す」のに引き続いてベッドを買う予定があるので、その下見。とりあえずクッションや枕などを買って帰る。途中ビックリドンキーで昼食。
翻訳は3、4ページしか進まず。

3日(水)午前中に翻訳数ページ。
午後からちょっと大きな会議があったので学校へ。疲れた。本当に疲れる。
四面楚歌というか、そこまで思うのは被害妄想だと思うけど、まあ孤独な戦いであることには間違いない。こういう仕事の環境ではもたないよなあ。
二日続けて夜あまりよく眠れず。
あまり考えないようにしよう。

というわけで、今日はあまり何もやる気にならないので、とりあえず仕事を休んで日記を書いているという次第。

もうひとつあった。『獣の奏者Ⅱ 王獣編』読了。
これはやっぱり面白いですね。
いかにもファンタジーというか(そういう言い方はよくないけども)ちょっと都合がよすぎるようなところもないではないが、それよりもとにかく魅力の方が大きい。
端整なのに温かい文章、くっきりとしていて魅力的な人物、それにスケールの大きな隠された意味が徐々に明らかになっていく展開。終盤に向けて物語が絡まりあっていく様子には感心した。エリンとリランの交流にも心をつかまれる。
例によって、感動した文章を引いておく(いくつもあるけど一つだけ)。

「(・・・)わたしは、そんなふうに罪という言葉で人を縛るやり方が大嫌いです。(・・・)音無し笛で王獣や闘蛇を硬直させるように、あなた方は、罪という言葉で人の心を硬直させている。そんなやり方は、吐き気がするくらい、嫌いです」

この小説には、一面的ではないものの見方が隠れている。そこがいい。