サークルの顧問というものは

同僚の先生から、サークルの顧問を引き受けてくれないかとメールが来た。自分のクラスの学生から頼まれたらしいのだが、自分はすでに一つやっているので(原則、一教員一団体が大学のルールらしい)、もし僕がまだ持っていなかったらお願いしたいとの由。
一晩考えてから、次のようなメールを書いてお断りした。

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さて、サークルの顧問をお探しということで、お役に立ちたいのは山々なのですが、僕はその学生を知りませんし、テニスにも造詣(?)が深くありません。

前にいた学校で、僕はいろいろと断り切れずにサークルの顧問を4つか5つほど引き受けていましたが、そのときの経験上「名ばかり顧問」と言えども、
1.そのサークルの活動内容に詳しい(たとえば山歩きが趣味の先生が山歩きのサークルの顧問をする、など)
か、もしくは
2.そこの学生たちを知っていてよくコミュニケーションがとれる
の、少なくともどちらかの条件を満たさないと、愉快な関係にはならない、という気がしています。

お役に立てなくて申し訳ありませんが、どうぞご了承ください。

やはりその学生たちが、自分たちのよく知っている、信頼できると思う先生に直接頼むのが一番いいと思いますよ。
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実は、この返事を書くまで、ここに挙げた「2原則」みたいなことを考えたことはないのだが、この機会にはっきりと言語化されたので、今後はこれを自分のポリシーということにしよう。
とかいって、断りきれない恩のある先生とか、ずうっと年上の先生とかに頼まれたらほいほい引き受けてしまう可能性も無きにしも非ずだが。
(人はそれを根性無しとか無定見とか呼ぶかもしれないが、自分の精神の健康衛生上、私としては融通無碍の精神と呼んでおく)

実際、大学のサークルの顧問というのは、まあ名前だけなのだが、ちょこちょこハンコを押したりする必要があったりして、そうすると、学生も大学の教員というのはなかなかつかまらないものだから、研究室のドアに手紙を書いて貼っておいて、この用紙に○○日までに印鑑を押してまたドアに貼っておいてください、とか、そういうやりとりになってしまう(少なくとも前の大学ではそうだった)。
自分のよく知っている学生なら別にかまわないが、それがよその学部の顔も知らない学生から突然来たりするのである。
もちろん作業としては大したことではないし、向こうの事情もわかるから、僕は別にそういう学生に腹を立てているわけではない。
だが、それが気持ちいいかどうか、楽しい関係かどうかといえば、答えははっきりしている。
もちろん礼儀正しい、気配りのある学生などだと、直接会いに来るとか、飲み会に呼んでくれるとか、いろいろ気を使ってくれるのだが、こちらも別に大した世話をしているわけでもないし、ただの「ハンコ係」なのだから、学生に気を使われたくはない。
というわけで、自分も日頃から学生に交じって一緒に活動できる内容のサークルか、よく知っている親しい学生たちのサークルでない限り、引き受けたくない、という原則が生まれるわけである。

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下の子二人が近所の友だちの家に遊びに行ってしまった(昼ごはん付きで)。長女と妻の三人だけなので、僕がささっと台所に立つ。ほうれん草ともやしを入れたシンプル野菜ラーメン。もやしは、ちょっと手間だけど、ひげをとると本当に味が変わるんだよなあ。